アレルギーとアナフィラキシー

人間の身体は細菌やウイルスなどの有害なものから守るため免疫システムが組み込まれています。しかしこの免疫システムが食べ物や花粉など積極的に排除する必要のないものに対しても誤って働いてしまうことがあります。これがアレルギーで、症状としては、くしゃみ、鼻水、蕁麻疹、咳などが現れます。これらアレルギー症状がさらに重篤化して複数の臓器に強く現れる状態がアナフィラキシーです。アナフィラキシーショックと呼ばれる血圧低下や意識の低下が起きる場合には命に係わる重篤な状態となるので、迷わず救急要請を行い、直ちに医療機関で適切な対応を行う必要があります。

アナフィラキシーの原因

アレルギーを引き起こす原因となる物質をアレルゲンと言いますが、アレルゲンは多種多様に存在します。身近なところでは花粉や食べ物などが多いですが、天然ゴムや鉢などの虫の持つ毒、また医薬品などでもアレルギーを引き起こす場合があります。特に子供の場合、初めてその物質に触れるため、予期せずアナフィラキシーを引き起こすことがあるのです。また大人でも体調がすぐれないときなどアレルギー症状が強く現れ、アナフィラキシーを引き起こすこともあります。

歯医者でも起こりえるアナフィラキシーショック

虫歯の治療に使用する麻酔薬でもアナフィラキシーショックを引き起こすことがあります。昔のことですが、歯医者でアナフィラキシーショックのため子供さんが亡くなるという事故もありました。ある歯科医院ではもしもの時のために「デンタルファーストエイド99キット」という緊急事態時に対応する応急処置を目的とした、医薬品と医療器材セットを常備しているそうです。使用する機会がないことを祈りますが、備えあれば憂いなしですね。