医療機器の部品製造は高いレベルの技術と環境が必要不可欠

医療機器とは?

「医療機器」の範囲は広く、挙げればきりがありません。レントゲン・CT・MRI。体温計や血圧計、義足やペースメーカーも医療機器の一種です。全ての医療機器に共通して言えるのは、人の手で作られた点でしょう。
今更言われなくても分かる事柄ですが、当たり前だからこそ非常に重要なポイントになるもの。人の命を左右しかねない医療機器だからこそ、部品製造において高いレベルが求められています。

精密加工技術

医療機器の部品製造には、主に精密加工技術と難削材加工技術の2つが用いられます。精密加工とは、0.001~0.01mmで加工する技術のこと。ここまでくると、顕微鏡を使わないと確認できないレベルの緻密さです。
精密加工をおこなうにあたり、必要になるのは工作機械。ただの工作機械ではなく、超がいくらついても足りないほどの高性能を誇る機械が必要になります。しかも失敗のリスクも高く、少しでも気を抜いてしまうと、完成するのは失敗作。さらに工作機械だけでなく、作業場にも気を張らなければいけません。金属の場合、温度が1℃でも変わるだけで大きさは変化するもの。多少の変化なら問題はないものの、精密加工となると大問題です。

難削材加工技術

難削材加工技術はいわゆる「加工が難しい」と、言われている素材を加工する技術を指します。医療機器に使われている素材は様々。カテーテルならナイロン系統、注射器ならガラスや樹脂が使われている。ナイロン・ガラス・樹脂はまだ加工しやすい素材になるため、そこまで頭を抱える必要はないでしょう。
しかし使われている素材がチタン合金となると、大変です。インプラントや人工関節には、なくてはならないチタン合金は、下手に扱うと火災が起きかねない難しい素材です。

環境は重要

医療機器の部品製造で抑えておきたいのは、製造環境でしょう。まずは生産体制。医療機器の場合、10年は使い続けるものになります。万が一どこかで不具合があれば、大変どころではありません。頭を下げるだけで済むのなら、誰も苦労はないでしょう。
またコストダウンも、考えなければいけません。